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ツボ別適応症

大雑把に言いますと人体は骨と筋肉で作られていますが、体内外には無数の神経網が張り巡らされていて、その全てが最終的には脳につながっています。
その脳が取り仕切っている人体の様々な場所にツボがあるのですが、ツボ別適応症を見てみましょう。
まず、腰は性腰痛(ギックリ腰や椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、慢性的な腰痛などがあります。
次いで、肩は腕のしびれや慢性的な肩凝り、五十肩などで、首は頚椎ヘルニア、寝違え、ムチウチさらには事故の後遺症などです。
頭では偏頭痛や慢性頭痛、さらにはめまいや耳なりなどで、足では膝の痛みやO脚、捻挫や足のしびれ、外反母指などです。
また、姿勢もツボと関係があり、猫背など、その他、アトピーや喘息、さらにはストレス障害や自律神経失調症、更年期障害、内臓機能障害などがあります。
この中で一般的なツボ適応症は肩凝り、腰痛、腕の痛み、足の痛みさらには食欲不振や夏バテ、冷え性とストレスですが、頭痛や扁桃痛、眼精疲労、胃弱、便秘や下痢などもツボ適応症になります。
もう少し細かく言いますと、膝関節痛、こむら返り、蓄膿症、花粉症、歯痛もありますし扁桃炎、五十肩、寝違え、腱鞘炎、坐骨神経症、さらには足の冷えや足のしびれ、脚のむくみや痛風などもツボ適応症です。
その他、婦人科系では更年期障害や生理痛、月経不順などもそうですし、高血圧や低血圧症、神経痛、乗り物酔いも含まれます。
また、神経系や運動系、循環器や呼吸器、消化器、代謝系の疾患治療に適応性があります。

ツボの知識

東洋医学の部類に入る鍼灸の基本は、一般にツボと呼ばれる人体の大切な場所です。
つまり、良く使われる「ツボを押さえる」とか「ツボを心得る」あるいは「成功のツボ」のように、いわゆる急所とか大切なところをツボと言います。
ツボは漢字では壺ですが、実際には人体のある部分を指で押すとそこが壺に指を入れたように窪むことから壺(ツボ)と言われるようになったのだと思われます。
また、人体のそのような場所は体内のあらゆる神経や内臓などのところとつながっているので、いわば勘所、急所、大切な場所であることも事実で、それで勘所を押さえることがツボを押さえると言われるのでしょう。
さらに、急所であるツボは裏を返せば弱点でもありますから、鍼灸ではツボを刺激することで、その部分からつながっている内臓や筋肉などの機能を正常にします。
なお、ツボは専門的な呼び方がいくつかありますが、それは例えば「経穴(ケイケツ)などで、これに関連してツボとツボを連絡する神経網を経脈と言います。
このツボが人体にあることが分かったのは何千年も前の中国だとされているようですが、2000年以上も前の漢の時代の医学書にはツボのことが書かれています。
では、人体にはいくつのツボがあるのかと言いますと、一般に言われるのは現在WHOが認定しているのは361穴で位置としては679もありますが、その他の説もあります。
ツボは筋肉の間や、腱、骨の間、関節などに沢山ありますが、ツボの形や大きさ、深さは様々で、例えば指で押すと痛みを感じる部分やしこりを感じる部分が多いようです。

マッサージと鍼灸との違い

マッサージと指圧、鍼灸を同じように思っている方は多いようですが、特にマッサージと鍼灸がセットでなっている場合が多いので、混同されるのでしょう。
鍼灸とマッサージには大きな違いがあり、マッサージは癖になりますが、鍼灸は完治すればまず癖になるようなことはないようです。
まず知っておきたいことは、マッサージでは基本的に筋肉の凝りを取り去ることができません。
それに対して、きちんとした鍼灸治療を受ければ筋肉の凝りを取り去ることができます。
マッサージは気分が気持ちよくなる程度で、筋肉が痛くなるようなマッサージはないでしょう。
ただし、指圧は鍼灸と似た部分がある医療行為ですから、施術では痛みを我慢したりもします。
また、鍼灸治療は直接筋肉に鍼を刺したり、もぐさで皮膚を熱しますから、ある程度の痛みがありますが、ここがマッサージとの大きな違いと言えるでしょう。
ここで病院の話をしますと、現在の医学ではCTスキャンなどの画像診断で神経屋血管、骨や椎間板などの異常は判明しますが、筋肉の凝りは分かりません。
したがって、筋肉の凝りが痛みになって現れた場合は鍼灸以外の方法では痛みはとれないでしょう。
もちろんマッサージでは痛みを取り去ることはできません。
覚えておかれると便利なのは、マッサージは適度に筋肉を揉みほぐし身体と気分を良くするためで、鍼灸は鍼やもぐさでツボを刺激して血行を促進することで根本的に筋肉の凝りや痛みをとりさるということでしょう。
ですから、マッサージと鍼灸を行なうことで、心身をリラックスさせながら筋肉の疲れや痛みを治す手法が使われるのです。

灸で治せるもの、治せないもの

最初に考えてみたいのは、病気が治るというのはどのような場合なのでしょうか。
病気の症状で痛みがあるのが痛く無くなったら、それは治ったことです。
また、風邪を引いて高熱が出た時にそれが平熱になれば治ったことですし、自由に動かせなかった関節が動かせるようになれば治ったことになるでしょう。
ちなみに世界保健機構(WHO)では病気の定義として、恒常性保持機能を逸脱した状態」としています。
この言葉は難しいのですが、具体的には体温が36.5℃で、心拍数が1分間に80前後、血圧の下が80、上が120という具合のようで、これが病気ではない健康体戸いうことになります。
したがって、このうちのいずれか、あるいは全てがこの数値を大きく外れた状態が病気だと言えるでしょう。
ところで、鍼灸は様々な病気に有効ですが、特に血行障害に原因する病気や体調不良の治療には効果を発揮します。
例えば骨折や筋肉の繊維の断裂でない痛みを緩和あるいは完治することができますから、ひどい肩凝りや腰痛などの症状の緩和に灸は大きな効果が期待できるでしょう。
ただし、灸で何でもが治せるというのではなく、鍼灸の治療で治る効果が期待できない場合もあります。
灸では治らない病気としては、チフスやコレラなどの法定伝染病や届出伝染病、高熱疾患、心筋梗塞などの重い心臓疾患、急性虫垂炎、様々ながんなどの悪性腫瘍、破傷風、丹毒、血友病、エイズ、壊血病などがあり、これらのいずれもはしかるべき専門の病院での検査、診療、治療が必要になります。

鍼で治せるもの、治せないもの

ある鍼灸師の方のお話によりますと、どんなに頑固な偏頭痛でも鍼灸で治る例が多いとのことです。
何故病院では治らない偏頭痛が鍼で治るかと言いますと、それは鍼灸師さんが患者の全身を診るからだとのことです。
偏頭痛の原因は一般的に、血管の拡張だそうで、病院ではこれに重点を置いて痛みを緩和する治療を行ないます。しかし、鍼灸では全身の循環システムを診て治療をするのだそうです。
この全身の循環システムを東洋医学では経絡(けいらく)と言いますが、人体の経絡は極めて複雑です。
したがって、偏頭痛を直す時にその重点が頭にあるとは限らず、頸や背中のコリが頭痛の原因の場合もありますし、胃腸の具合が悪かったりもするそうです。
このように東洋医学の鍼で偏頭痛が治るのは意外かもしれませんが、このような話はまだあまり良く知られていないようです。
また、このような場合偏頭痛が治るのと同時に頸や肩の凝りもなおるのですから、全身の循環システムに関係する病の多くは鍼灸治療で治らないまでも、改善されるようです。
ただし、いわゆるガンや糖尿病などの成人病の場合は鍼の効果にも限界があるようですから、そのような病気は鍼灸で治すわけにはいかないでしょう。
しかし、精神的なストレスや冷え性などは鍼で全身の血行を活発にすれば改善されるでしょうし、東洋医学の観点から考えれば、自律神経失調症や不眠症などにも鍼治療は有効なのではないでしょうか。

灸が効くメカニズム

灸が効くメカニズムは、灸がある意味では特殊な火傷だからです。
火傷の場合は熱で皮膚の組織が破壊されますから、新しい皮膚組織を作らなければなりませんし外部からの最近が侵入するのを防がなくてはなりません。
一方、灸で出来る火傷は小さなホクロのようなもので、もぐさしか作れない火傷で、しかも皮膚の表面を焦がすだけですから人体に害はありません。
灸が痛みに効くのは知られていますが、これを八分と言います。
例えば膝の痛みは軟骨がすり減ったり変形したりするのが主な原因ではなく、膝の周りにある筋肉や人体が硬くなり、伸びにくくなるからです。
この部分に八分灸をすえると硬かった筋肉などが柔軟になるのです。
そのメカニズムは、いくつかに枝分かれしている神経の末端の灸の熱刺激が電気刺激になって脊髄へと伝達され、次いで脳に伝わるので熱いと感じます。
この刺激は毛細血管の外側で毛細血管を広げる作用がある神経伝達物質を離しますが、これを「軸索反射」と言います。
毛細血管が拡張すると血流が活発になり、ヒスタミンなどの痛みを起こす物質を患部から運び出します。また、硬くなっていた筋肉に血液が流れるようになり、筋肉組織が柔軟になります。さらに灸が内臓疾患に効くメカニズムとは、身体の自律神経やホルモン、免疫機構の三位一体が崩れたのを修復するからです。すなわち、八分灸の熱刺激が電気刺激に変わり、神経を伝わって脊髄に行き、その刺激が脳の視床下部に伝わり、熱いと感じますが、この間にこの刺激が自律神経にも伝わり、交感神経と副交感神経の乱れを整えるのです。

鍼が効くメカニズム

鍼は血行改善の効果があり、これは鍼をするとその部分が赤くなりますが、これは神経の抹消部分で血管が拡張して血流が活発になるために起こると考えられています。
また、鍼には鎮痛作用があり、ギックリ腰などの場合痛みに対する感受性が高くなりますが、鍼治療はこの過敏な状態を和らげることができます。
このように鍼で痛みが軽くなるのは、脳内からエンドルフィン・エンケファリンという物質が分泌されるためだと考えられています。
また、鍼で血行が良くなると、ブラジキニン・プロスタグランディン・セロトニン・ヒスタミンという物質が減るからだとも考えられています。
さらに、鍼は筋肉の緊張を緩和することができます。
例えばひどい肩凝りなどでは血行不良や筋肉の柔軟性が低下したりして、頭痛やめまいなどが起こることがありますが、鍼治療でいわゆる持続的緊張(凝り)を和らげれば、このような症状が改善されます。
鍼は身体的な痛みだけでなく、自律神経のバランス調整の役目もあります。
私たちは精神的なストレスや更年期などで自律神経が失調しますが、この自立神経失調症の治療に東洋医学では元気を高め、身体が感じる寒暖を調整したり、循環器の障害を改善することで本来の自律神経のバランスになるように整えます。
以上のようなメカニズムに加えて、鍼には免疫に対する作用もあるとされています。
つまり、鍼治療を続けていると風邪を引きにくくなりますが、これは白血球の活性化が高まるからのようです。
これも鍼に虚と実の状態を調節することで、身体の陰陽のバランスを整える効果があるからでしょう。

東洋医学の概要について

私たちが利用する各種の病院や医院の多くはいわゆる西洋医学で、CTスキャナーやレントゲンなどの医療機器を使って患者さんの症状を検査し、適切な処置をして薬を処方します。
これに対して鍼灸は東洋医学になり、東洋医学の概念は、そもそも人間の身体は自然とバランスがとれているのですが、そのバランスが崩れると様々な病気になると言うものです。
この身体のバランスの概念は二つありますが、それは「陰」と「陽」です。
世の中にある全ての事象はプラスとマイナス、光と陰のように相対する二つの概念があります。
東洋医学では、この対極的な概念は人間の身体にもあてはまると考えられていて、この対極間のバランスが崩れると様々な病気になるわけです。
このように人間の身体にある陰陽を、東洋医学では、「陰の気」は下に向かい、限度が来ると上に昇り、「陽の気」は上に向かい、限度に来ると下へ降りる、とされています。
私たちは、昼間は「陽」の気が強く、夜には「陰」の気が強くなりますが、このバランスが崩れると夜に「陽」の気が強くなり、眠れなくなります。
また、この陰陽の状況を表すために東洋医学では「虚」と「実」の概念があります。
「虚」はマイナスや低下のことで、「実」はプラスや向上ですが、勘違いしそうなのは「実」が良くて「虚」が良くない状態という考えです。
実はそうではなく、「虚」と「実」のバランスがとれていることが大切なのです。
ですから、東洋医学では陰陽のバランスを判断する物差しが虚・実で、身体のバランスを整えるために虚と実を見極めます。
この際に重要なのがツボで、鍼灸はツボの部分を虚にしたり実にしたりする役目があります。

鍼灸は魔法ではありません

鍼の施術では、針を刺してすぐに抜く「単差し」と鍼を刺した状態で10~15分ほどそのままにしておく「置鍼」があります。
また、差した鍼の低周波の電流を流して筋肉中の血行を促すパルス鍼もあり、これらの手法は患者さんの症状の状態によって使い分けられます。
人にもよりますが、鍼は一度で効くと思われて、実際には一度では症状が改善されないと鍼は効かないと思ってしまうようですが、鍼は魔法ではありませんから、これらの手法を継続的に行うことが大切になります。
灸の治療は痛みに高い効果があることで知られています。
灸には様々な種類がありますが、一般的なのは「温灸」で、この手法は皮膚に直接もぐさを置かないで、間接的にもぐさが燃える時に出る熱を皮膚の下にあるツボに伝えます。
もぐさが燃えますから多少は熱く感じますが火傷をするようなことの心配はありません。
ただし、ここで注意したいのは、痛みには必ず原因があり、骨が折れていたり筋肉繊維が切れていたり、また内臓に疾患があるための痛みがあります。
このような場合鍼灸は一時的に痛みを緩和しますが、根本的な原因までは治すことはできません。
単なる筋肉疲労やストレスなどでしたら、鍼灸を定期的に施せばその症状は改善されて心身ともに爽快になりますが、骨折や筋肉繊維の断裂、あるいは内臓疾患の症状が痛みとして現れてくるような場合にはしかるべき病院で精密検査を受けましょう。
このような場合、鍼灸はあくまでも一時的な症状の改善に止まると言うことを覚えておいてください。

鍼灸とはどのようなものなのでしょうか

鍼灸(しんきゅう)は鍼(はり)と灸(きゅう)を合せた呼び方で、普通私たちは「背中が張ってしかたがない」とか「最近肩凝りがひどい」、などと言う時に、鍼やお灸でその症状を楽にして和らげることが多いでしょう。
背中が張るとか肩が凝るというのは身体が何らかの不調を訴えているのですから、もしかすると内臓の疾患などもあるかも知れません。
しかし、その原因の多くは血行不良による筋肉疲労や過剰なストレスだということも多いようです。
このような場合、病院で診察を受けてもお医者さんはあまり深く考えないで、そのままで薬も処方してくれないでしょう。
しかし、現実には背中が張るとか肩が凝るのは辛くて我慢ができません。
そのような時に苦痛を和らげるのに効果的なのが鍼灸であることは昔から良く知られています。
では、鍼灸とはどのようなものなのでしょうか。
簡単に言いますと、鍼は身体のツボに鍼を刺して血行を促進し、体内のエネルギーである「気」を整えて身体全体のバランスを整えます。
治療は一回でも身体のバランスは良くなりますが、できれば身体に無理がないように何回か施術をして徐々に体調を整えるのが効果的です。
一方で、灸はもぐさを皮膚のツボがある部分に置いて、このもぐさを燃やすことでツボに刺激を与え、やはり血行を良くして身体が持つ自然治癒を活性化してバランスを整えます。
このように鍼灸はともに身体にあるツボを刺激して自然治癒力を高める方法で身体のバランスを整える東洋医学です。